この国の役人って・・・

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この国の役人って・・・

Original Date: 1999年6月 1日 

偏見に満ちた裁判所

今日、裁判所(Municipal Court)に行ってきました。別に悪いことをした訳じゃないです。私の相棒が、カバンを盗まれて、その犯人がたまたま逮捕され、その証言をするための裁判です。

なかなかアメリカで裁判に出くわすことなどないのだろうなぁ、、、と思いながら早速出かけました。以前も、アメリカの事務手続きのいい加減さについては書いてきましたが、今回の裁判所からの通知書にも、始まる日時だけが書かれているだけで、肝心の住所がどこなのかさえ記載されていません。住民サービスもなにもあったものではないです。

Newark Courtです。外見は立派ですが、、、 いざ、裁判所についてみると、入口には長蛇の列です。すぐ横にいた係員らしき人に、通知書を見せて、どこに行ったら良いのか聞くと、「Violator(違反者)はそこだ」って言うんです。その態度が、はじめから違反者と決め付けた見下したような態度です。「あぁ、、、役所だなぁ」と思いながらその時はやり過ごしたのですが、頭にきたのは裁判をする部屋に入ったときでした。

今日の裁判官は短パン禁止?!

裁判をする部屋の入口です 8時30分から裁判開始と書かれていたので、自分達の裁判がその時間に始まるのかと思うと、部屋の中には50人近くの人がいます。裁判の順番はあらかじめ番号割り当てられて決まっているようで、「それなら、その時間に来ればいいような時間を割り当てろ!!」と言いたくなります。

写真に写っているのは裁判官です さらに、部屋の中では、読書さえも禁止で、ボーッとひたすら待つだけです。 そうしていると、係員が「Shorts。。。」といったのが聞こえました。もう一度聞き返すと、「ショートパンツをはいている者は退出しろ」と言うんです。 これにはちょっとまいりました。通知書に詳細を書くべきです。 係員が言うには、「Today's judge does not allow shorts」って言うんです。それって、裁判官の勝手ってことですか?

参考までに、
ショーツとは女性の下着のことではないですよ(笑)。Shortsとは英語で短パンのことです。

そもそも裁判にドレスコードがあること自体が間違ってませんか?女性のミニスカートがOKで膝丈の単パンがダメな理由がないでしょ?さらに言うなら、裁判官は服装という外見で判決を下すということですか?それって、最終的には差別につながり、公平な裁判が出来ないんじゃないですか?と数々の不満が募ってきます。

ルールがあってルールがない国

アメリカ人はよく日本の法律や決まりを、よく分からなくて曖昧だと言いますが、アメリカほど規則がいい加減で、曖昧で、恣意的な国というのは、先進国のどこを見てもない気がします。そういう意味では、この国は発展途上国だと思いますね。

最後に、裁判所を追い出されて、数時間後に友人のポールといっしょに相棒を迎えにきたのですが、既に裁判はすべて終わっていたみたいで、部屋にいた係員に、「Could you please tell me when the court finished?」と丁寧すぎる英語で聞いたんです。そしたら、なんて答えたと思います?「私はもうランチタイムに入ったから答える義務はない」とか「私に話し掛けるな」とか、「さっさと出て行け」って言うんです。まぁ、そんなのは日常茶飯事の国なので、さらに聞くと、乱暴にドアを閉めようとして、なんと言ったと思います?

私に乱暴な態度を取らせたいのか?

って言ったんですよ?信じられますか?日本ならそんな職員は始末書ものです。だから、こっちも「Your attitude is rough enough!」って言い返してやりました。ニュージャージーの警察は評判が悪いのもうなずけます。つい先日も、警察が組織ぐるみで人種差別をしているとニュースで報じられたばかりです。

たびたび、アメリカのひどい点については、この日記で触れていますが、さすがに今日のにはキレました。日本では、アメリカというと良い点ばかりが注目されて、外交でもすべて押されまくってますよね。経済的にも景気が悪くて、日本がダメでアメリカがいいというような風潮があるような気もするのですが、非常に偏った情報に躍らされている日本ばかりが最近目に付きます。

話によれば、中央官庁の役人達は、年間に何十人もアメリカの各有名大学院に留学すると言います。 また、日本の大企業からも大勢の優秀なスタッフ達がMBA等に派遣されてます。ですが、その目的っていったいなんなのでしょうか?このような国に来て学ぶことというのはあるのでしょうか?市民感覚的な意見を言うなら、「そんなところに無駄な税金を使うな!」、「会社の経費で留学させるなら、商品コストを下げる努力をしろ!」と言いたくなります。 (まぁ、本当に私は庶民なので、、、)

たしかに、アメリカの全てを否定するわけではありませんが、こんな国にリードされていると思うと腹が立ってきますね。アメリカにある大学が世界各国から大勢の優秀な留学生を集め、そこでアメリカ流の教育をし、それを再輸出しているわけです。アメリカ流のビジネスが当然としてまかり通り、アメリカ流の基準が大手をふって歩いている今を見ると、日本も同じようにアメリカに人を送り込んで、アメリカの後ろをついて回るだけでいいのかなぁ、、、っていう気になってきます。

中央から派遣されている方々、そういうことって考えたこともないですか?いずれ日本が世界の経済大国でいられなくなるのも、そう遠い日のことではないような気がしてなりません。なんか、今回はずいぶん思想めいた内容ですが、別にそういうのに凝っている訳じゃないです。自分の正直な感想ですね。

追記:2008/4/9
いやぁ~、今読み返すと、当時本当に頭にきていたんですね。若かった。日本でも差別だとか格差だとかいろんな議論がされていますが、アメリカのそれと比べると比較にならないと痛感しています。だからこそ自由を勝ち取る運動や平等意識が高いのでしょう。本当に勉強になりましたね。


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日時: 1999年6月 1日
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