願書・出願対策
出願対策 - はじめに
補足:2008/3/8
現在ではほとんどの学校がオンラインで申込みが出来ます。また、受験料の支払いもクレジットカードが可能であり、10年前の環境から一番変わった点だと思います。紙処理時代には本当によく物がなくなり、トラブルが絶えなかったという話をよく聞きましたし、自分も実際に受験料のチェック(小切手)がなくなり、あとから出てきたという学校側の不手際にも遭遇しました。いい時代になったと思います。
願書に関しては対策と言うほど困った問題は発生しないと思うのですが、試験のスコアやエッセイに気をとられて、最後で困った事にならないように、一通り気の付いた事を解説します。ちなみに、99年出願からオンラインアプリケーションを採用した学校が急増したため、ここをご覧になっている方にとっては、紙の願書というのは目にする事がないのかも知れませんが・・・。
願書請求はどうするの?
スケジュールのところでも書いていますが、遅くても9月の末までには願書請求した方がいいと思います。早い学校はすぐに返送してくれますが、遅いところは11月末にならないと送らない学校もあるからです。
願書を早く手に入れるメリットとしては、成績証明書の部数確認、TOEFL・GMAT・GPA等での足きりの有無等が早く確認できて、出願校を絞りやすくなります。MBAフォーラムに参加すれば勝手に送ってくる大学もありますが、「ここは!」と思う大学には手紙を書いてみるのがBestです。
手紙と書きましたが、私は電子メールを使う事をお勧めします。 MBA留学に関する古い参考書には、長々としたあいさつを付けてご丁寧に返信用封筒を同封して願書請求したり、日米教育委員会が作成している「願書請求用紙JPAA」を利用する事がいいと書かれてはいますが、今は電子メールの時代です。
アメリカの事務の煩雑さは想像以上なので、へたに郵便を利用すると紛失されたりします。中には、ビジネススクールのホームページ上に願書申し込みフォームを持つ大学が増えてきたので、そちらをまめにチェックしてもいいのかもしれません。
電子メールでの請求をする場合は
- 氏名
- 住所・メールアドレス
- 出願年度
- ビジネススクールで勉強したい旨の簡単な説明
だけ書けば十分だと思います。まれにTOEFLのスコアを書いてくるように指示する学校もありましたが、私は全ての受験校で電子メールを利用して願書請求しました。まぁ、オンラインで出願すれば、この作業はないので、楽ですが・・・
成績証明書とGPA
全てのビジネススクールで大学時代の成績証明書が要求されます。ビジネススクールも大学院の一種であることを考えれば、大卒資格が必要なのは当然なのかもしれません。
スケジュールのところでも書きましたが、成績証明書も早めに多めに取り寄せる事をお勧めします。というのも、大学側が英文の成績証明書の発行に慣れていないため時間がかかることがあるからです。
数ですが、出願予定校の倍請求した方がいいですし、日本語の証明書も出願校分くらい請求しましょう。母国語で書かれた証明書を要求する学校があります。
また、自分の成績がGPA換算でどのくらいなのかを知る事も必要です。厳しい大学は、GPA3.0以上などという足きりを設けているので、大学時代の成績が思わしくなかった人はすぐにチェックするべきです。
大学・大学院に出願する時には、自分で送るのではなく出身大学から直接、出願大学に送ってもらうというのが普通らしいのですが、ビジネススクールは願書とまとめて出願者が送付する形をとっているところが多いです。これは、事務の簡素化のためです。
上の願書請求のところでも言いましたが、事務が日本では考えられないほど煩雑なため、バラバラに送付すると紛失する可能性があるからです。
財政証明書
「財政証明書(Certificate of financial responsibility)」は、留学期間中にかかる費用が十分にあることを示す書類です。実際どこの国でも外国人に労働を認めていません(日本もアメリカもです)。アルバイトをして学費を稼ごうなどと思っても、法律がそれを許してくれないのです。
そこで要求されるのがこの書類です。「わたしは働かなくても十分に暮らしていけます」という証明書とでもいったらわかりやすいですね。留学の種類によって、その書類は様々ですが、下記のようなものがそれに当たります。
・銀行の残高証明書(自費留学の場合)
・両親等の銀行口座の残高証明書と負担同意書(自費留学の場合)
・公募奨学金機関からの証明書(奨学金がある場合)
・官庁・企業からの費用負担証明書(企業派遣の場合)
金額ですが、学校によって「$●×以上」と指定してくるところもありますし、何の指定もないところもあります。為替によっても変わってくるので実際にいくらとは書けませんが、不明な場合は直接大学に確認してみてもいいと思います。
受験料・その他
受験料はほとんどの大学がMoney order・小切手でしか受け付けません。オンラインならクレジットカードですが・・・(便利なのでオンラインがお勧め!ということは、ここは読む必要がないのかなぁ・・・)
どの方法で送付するかは個人の好みですが、銀行で小切手を作ると$40程度の小切手に¥2000もの手数料を取られます。自分の銀行から派遣されるなら銀行でも問題ないのかも知れませんが、それ以外の人は郵便局でMoney orderを作る事をお勧めします。手数料が一番安いです。
あと、抵抗があるかもしれませんが、Money order・小切手に鉛筆で「自分の名前」をはっきりと書いて下さい。信じられないかもしれませんが、大学の事務局はよく書類をなくします!
Money orderの場合、送付者の名前が表に書かれるのでいいのですが、小切手の場合は忘れずに書いた方が懸命です。最後に、これを願書の一番表にホッチキスで止めるのが一番確実です。日本人の感覚なら失礼な気もしますが、アメリカはそういう国です。あとで「払った・払わない」ともめないためにもお勧めします。ある大学の願書にはそうするように書かれていたくらいです。
もし、あなたがすべての手続きを終えてなんのトラブルもなく順調に9月を迎えたなら、それはたまたまラッキーだっただけと思って下さい。
ETSへのスコア送付依頼
TOEFL・GMAT等の試験結果は自分でETSに送付依頼しなくてはなりません。願書を実際に郵送する少し前くらいに依頼するといいと思います。
これも小切手といっしょに送付依頼書を郵送する方法と、簡単にFAXで済ます方法があります。FAXが確実で一番安いです。スコアの送付には「Regular(普通)」と「Express(速達)」がありますが、ここはお金を惜しまずExpressにするべきです。
Regularでも1週間~10日程度で届くと書かれていますが、実際はもっとかかります。アメリカの事務の煩雑さは大学でもETSでも同じです。21世紀から始まるコンピュータ受験になると少しは改善されると思うのですが・・・(確かにGMATの方がスコアが早く送付されていました。)
あと、念の為に願書にも試験結果のコピーを入れておく事をお勧めします。大学によってはそうするように指示があるところもありますが、そうしておけば、ETSからの結果送付が遅れても審査を開始してくれる場合があるからです。
基本的に審査はローリング(ある程度たまったら順次審査)なので早く審査された方が合格する確立が高いです。
出願の時期
スケジュールのところでも書きましたが、出願はできれば早い方がいいです。理想を言えば歳が明ける前に出願できるのが最高です。
多少スコアが悪くても2月後半ぎりぎりに出願するよりも、はるかに合格率が高いといわれています。というのもアメリカの大学は日本と違ってローリング審査を採用しているので、順次願書が集まった段階で審査を開始します。よって競争率が激しくない初期に出願できれば合格率が高くなるという仕組みです。
ただ、これも大学によって一概に言えないので願書等を早めに取り寄せて調べる事が必要です。ハーバードやUCバークレーはローリングをしない事で知られていますし、学校によっては国籍別に定員を持っているというところもかなりあります。
どんなに遅くなっても3月の上旬には出願しないと、本当に合格できる大学がなくなってしまいます。ちなみにほとんどの有名校では留学生の出願締め切りを2月の後半に設定しているところが多いので、締め切りには気を付けて下さい。
確認とアフターケア
願書を送付して、しばらくするとAcknowledgement Card(受領書)が送られてきます。すべてそろって審査できる状態なら「Complete」と書かれていますが、何かが不足していると「Incomplete(受領はしたが不完全)」と書かれて帰ってきます。
しかし、そのほとんどが大学側の事務の不手際による場合が多いので、確認の電話をする必要があるのです。受験料がない場合は、郵便局の控えとMoney orderのコピーを送付して電話で確認する必要がありますし、試験結果がないといわれている場合はETSに電話等で送付依頼の確認をする必要があるのです。ビジネススクールはまだ少ないみたいですが、通常の学部等だと頻繁にあるミスみたいです。
ここで、しつこいくらいに書いていますが、アメリカの事務手続きは非常に煩雑でいい加減です。予期せぬトラブルで受験手続が遅れないように、書類等のコピーは提出前にすべてとって準備しておく必要があると思います。アフターケアとはそういうことです。